オンライン「メゾン・ケンポクの読書会」レポート

2021/02/10 何かはある2021

オンライン「メゾン・ケンポクの読書会」は無事終了いたしました

ふだんは美学の基礎文献を講読する「メゾン・ケンポクの読書会」ですが、今回は、小説「月と6ペンス」をテキストに《芸術家とはなにか》を考えよう、というテーマで行いました。通常のメンバーに加え、別の読書会に参加している人、学生時代に文学を専攻していた人、県内外の大学生など、さまざまな世代が集まり、講師の西野由希子先生と共に和やかなオンライン読書会となりました。参加した「メゾン・ケンポクのチーム」メンバーによる、当日のレポートを掲載します。

オンラインプログラム|メゾン・ケンポクの読書会「サマセット・モーム『月と6ペンス』を読む」
日時:2020.2.5(金)19:00〜21:00
場所:オンライン
講師:西野由希子(文学者、茨城大学人文社会科学部教授)
参加者:15名
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オンライン「メゾン・ケンポクの読書会」 レポート

私はここ何度か「メゾン・ケンポクの読書会」を見学しておりますが、文学(しかもあまり読んだことがない海外文学!)の読書会は初めての参加でした。
参加者同士、はじめましての人ももちろんいますので、まずは自己紹介からスタート。
お名前、「月と6ペンス」を読んだか、参加のきっかけなどの自己紹介をして、次の人を指名してバトンを渡していきます。
ひと通り自己紹介が終わったところで、西野先生から今回の読書会についての概要などのお話があり、レジュメが配られました。

本を読むにあたり、はじめに作者を知ることは大切だったりするそうです。
レジュメに書かれた内容を西野先生が補足しつつ、要約して話してくださいました。
今回の読書会は、本作を読まなくても参加可能だったのですが、自己紹介を聞く限り、最後まで読み終えていない人もいましたが、まったく読まずに参加した人はいませんでした。
意外に多かったのが「本作は知ってはいたが読んだことがなかった」という人。こういう機会がきっかけになり、新たな興味に繋がったりすることは、ワークショップなどのプログラムの醍醐味でもあったりします。

次にあらすじを参加者が話します。本作は大きく分けて三つの舞台に分かれているので、三人で分担します。
みなさん遠慮されたようで、立候補は最初の一人(松本さん)だけ。あとはご指名で決まりました。
私も積極的に参加したいところでしたが、人に説明するのは得意ではないので大人しく聞き手にまわります。

あらすじが終わったところで今度は、読んで疑問に思ったことや気になる登場人物のこと、面白かったことなどを一人ずつ発表します。
共感したり感心したり、同じ作品を読んでも関心を持つところは人さまざまです。

そしてここから三つのグループに分かれて、「ブレイクアウトルーム」(zoomの機能)ごとに15分の意見交換です。
短い時間ではありましたが、全員で話している時より人数が減り緊張が解けたのか、より対面でのやりとりに近い感覚で意見交換ができたのではないでしょうか。

15分後にまた全員での「メインセッション」に戻り、最後に題名である「月と6ペンス」の意味について意見を交わしました。
本に載っている解説を西野先生が紹介してくださいましたが、はっきりとした一つの答えはないのだそう。
文中で触れることのない「月と6ペンス」というタイトルを、ステキだと感じる人もいれば、イマイチと感じる人もいるのが面白かったです。

個人的に一番興味深かったのが、女性の登場人物の描かれ方に違和感を持つ女性参加者が複数いたのに対し、その描写には全く気にとめなかったという男性参加者もいたこと。
驚きや発見、共感や反論など、いろんなことがぎゅっと凝縮された、あっという間の2時間で足りないくらいでした。

このタイミングで本作が読めたこと、そして参加者のみなさんと、作品について意見交換が出来たのが新鮮でとても楽しく、有意義な時間だったなぁと思います。
最後に。
お忙しい中、講師をして下さった西野先生には感謝しかありません。
ありがとうございました。

(文:メゾン・ケンポクのチーム 佐々木、撮影:山野井咲里)

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